合成シャンプーの皮膚や手に与える影響としては、洗浄に伴う皮膚膜の脱落や、角質層の変成と水分保持機能の低下などなどが考えられます。
皮膚の一番外側は皮膚膜があり、これが表皮を覆って皮膚を守っています。
正常な皮膚は、皮脂腺から出る皮脂(油)と汗腺から出る水分とで作られた皮膚膜と呼ばれる天然のクリームで覆われていて、角質層の水分を蒸発するのを防ぐとともに、外界からの様々な刺激から皮膚を保護する役割も果たしています。
また、角質層内には、10〜20%の水分が含まれており、皮膚がなめらかなのは皮脂膜による水分蒸発制御効果と水分保持機能があるからです。
合成シャンプーは皮膚の表面を保護している皮脂膜も同時に洗い落としてしまいます。短時間であれば問題ありませんが、液中に長時間つけると角質層の保湿成分である可溶性アミノ酸が溶け出し、水分保持機能が低下します。皮脂腺は数時間後に再生され元の状態に戻りますが、回復しない前に、いろいろなバイ菌がつくと、湿疹やかぶれ等、病的な症状を起こす事があります。
手洗い 1分間浸してお互いに洗う | 15分間浸して洗う | |
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水 | 25.3% | 41.9% |
天然シャンプー | 50.1% | 68.7% |
合成シャンプー | 64.0% | 87.9% |